放射線に関する医学、また放射線科は、これから一体どのように発展していくのでしょうか。これからの放射線医学の可能性について考えてみることにしましょう。X線の発見から発展しはじめた放射線医学ですが、最初は物体を透過するということさえが奇跡だったところから地道な発展をしてきました。
X線検査は当初は平面的な画像による診断飲みでしたが、それがCT検査のような断層画像を使った診断ができるようになり、さらにMRIのように、切り口を自由にコントロールできる診断ができるようになってきました。また、核医学が発展してきたことにより、ごく微量の被爆で高度な検査ができるようにもなってきています。
こうした発展は短期間の間に革新的な進歩を見せているところもあり、今後もこのような発展の可能性を十分に感じさせてくれます。たとえば、画像の3次元化については、遠い将来の話ではなく、形態画像だけではなく、機能画像から病巣や病態へのアプローチが盛んになっていくのではないかと思われます。画像の完成度も格段に進歩していくことでしょう。
また、核医学の進歩にも見られるように、これからはできるだけ微量の放射線、より安全な方法での検査や治療を行うことが最大の目的となっていくのではないでしょうか。放射線の被爆については、意識が高くなり、真剣に考える人が増えてきていると思います。それだけに、できるだけ被爆量を少なくし、安全な検査と治療を実現していくことを研究する人も増えていくのではないでしょうか。
アイソトープによる研究がもう少し進んでいけば、現在限定的に行われている治療についても、今後さらに可能性が開けていくのではないかと思われます。診断の確実性や治療の確実性を高めていくことももちろん大切なのですが、それと同時に、できるだけ安全で安心な検査や治療を実現できることが、これからの放射線医学の目的となっていくのではないかと思いますし、それに向けた研究が続けられていると思います。
これからの放射線の可能性